心の大きさ
子供たちが喧嘩をしている。
喧嘩なんてよくあることだが、大抵いつも同じような内容で
ほとんどがカエルが川に飛び込むくらいに些細なことだ。
1人だけ連れ出し話しを聞くと、どうもイライラが収まらない様子。
私は彼と目線を合わせると何があったのかを聞いてみた。
きっかけは本当に些細なこと。でも、言い合いしてるうちに引っ込みがつかなくなってしまったよう。
いいかいと続けた、
「感情っていうものはいつだって自分の中にしかなくて、どんな時も自分でコントロールできるものなんだよ」
「そんなの無理」
彼の表情は正に不満を具現化した様にトゲトゲしている。
試しにやってみよう、と彼の胸の辺りに手を触れ「今イライラは体の中のどこにある?」と尋ねてみた。
彼は手足の指先を含めた全身がイライラしてると言った。
「それじゃあ、息を大きく吸ってごらん。その時に空気が全身に行き渡るくらいいっぱい吸うんだ。」
彼は息をいっぱいに吸い込んだ。
「次に全身にあるイライラを空気と一緒にゆっくり外に吐き出してごらん」
ふーっとゆっくり息を吐いた。2、3度繰り返した彼の表情はさっきよりも随分穏やかなものになっていた。
「ね、簡単でしょ?」
彼の表情からはさっきのイライラが消えているのが見て取れたけど、まだ認めるのは嫌みたいだ。
「できないよ」
「そうだね、まだ難しいよね。でも本当に出来ないことなのかな?
いいかい、この世の魅力がある人、人に好かれる人や、人がこの人と一緒にいると居心地がいいなって思うような人っていうのは常に何かに挑戦している人なんだよ。自分の出来ないことを一つでも出来るようになっていくことで君の魅力はどんどん大きくなっていくんだ。出来ないというのは簡単だけど、やろうとしない人はこれからずっと出来る事はないよね。でも、出来ないことでもやろうと頑張ってみる人はいつか出来る様になるかもしれない。それに出来ないっていうのは君の頭が言ってるだけで君の心はどうだろう。いつだって限界は頭が決める。心の大きさに輪郭を作るのも頭だよ。でも本当は心に限界なんてないんだよ。心の大きさに制限をかけるんじゃなく、どこまでも大きくしてごらん」
「じゃあ地球ぐらい大きくすればいいの?」
「地球なんてそんな小さなものじゃないよ、君の心は無限に広げる事が出来るんだよ。宇宙みたいに際限なく大きく出来るのが心なんだよ。小さな器はちょっとした事ですぐに溢れ出てしまうけど、大きな器は同じだけのものが入ってもまだまだ余裕があるよね。それと同じように大きな心を持つんだよ」
「でも嫌なものは嫌だもん」
「うん、嫌は嫌でいいんだよ、嫌なことなんていっぱいあってもいいの。でも嫌な事があったからといってずっと嫌な気持ちでいる必要はないんだよ。心を嫌で満たしちゃいけない。嫌な気持ちに乗っ取られてしまってはいけない。いつも君が舵取りをするんだよ。嫌と思ったその後にどうするのかは君が決める事ができるはずだから」
気づけば彼の怒りはどこかへと消え失せていた。
きっとまた些細な事で喧嘩が起こるだろう。
今話したことなんてすぐに忘れていつもの様に感情に支配される。
でも、記憶の片隅に残ると信じて、いつか必要な時にそういえばって思い出してくれたらいいなと思う。
私が正解ではない、間違ったことを教えてはいないだろうか、考えを押し付けてはいないだろうかと常に思う。
彼は彼の道を見つけるだろうし、いっぱい迷うことも出てくると思う。けれど、私を超えていくために、より正しいと思える答えに辿り着けるよう、先輩としては一つの考え方を教えておかなければならないと思う。
未来の彼らの心が豊かで魅力的な人間になっていたらいいな。
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